2026年3月10日
【活動報告】合成生物学で社会課題に挑む。花粉症解決プロジェクトと次世代への教育活動(ADvance Campus | iGEMアゴラ)

株式会社LINOA(本社:東京都新宿区、代表取締役社長CEO:立崎乃衣)は、「知の結晶化」を通じて未来を創造するコミュニティ『ADvance Campus』を運営しています。このページでは、2025年度に活動を行ってきたiGEMアゴラの活動を報告します。
活動概要
iGEMアゴラは、国際的 な合成生物学の大会である「iGEM」に向けたプロジェクトを中心として、自律的な研究活動と社会への啓発・教育活動の両輪を回してきたチームです。この1年間、メンバーたちは大きく分けて「花粉症という社会課題の解決を目指した研究プロジェクト」と、「次世代の小中学生に向けた合成生物学のエデュケーション(教育)活動」の2つの軸で活動を展開しました。専門家へのヒアリングや実地調査に基づいた高度な研究アプローチを行うだけでなく、その知見や合成生物学の面白さを社会にどう届けるかという「アウトリーチ」の領域まで、一貫して取り組んだことが大きな特徴です。
iGEM2025 wiki: https://2025.igem.wiki/hg-tokyo/ Instagram: https://www.instagram.com/igem_hgtokyo/ X: https://x.com/iGEM_HGTokyo
和歌山県産「ジャバラ」と成分合成
iGEMアゴラの中心的な研究プロジェクトの1つが、多くの人が悩む「花粉症」へのアプローチでした。チームは花粉症に苦しむ患者の課題解決に向け、和歌山県特産の柑橘類である「ジャバラ」に着目しました。ジャバラには「ナリルチン」という抗アレルギー作用を持つフラボノイドが多く含まれています。
メンバーは実際に和歌山県まで足を運び、現地の状況を視察するとともに、専門家へのヒアリングを実施しました。そして、合成生物学のアプローチを用いて、このナリルチンを合成することに成功しました。自分たちの研究が社会でどのように役立つのか、いかに効果があるのかを広く世間に伝えていくためのストーリー作りにも奔走しました。
次世代へ合成生物学を伝える教育活動
研究と並行して力を入れたのが、小中学生に向けたエデュケーション活動です。合成生物学という分野がどのようなものか、直感的なイメージを持ってもらうためのワークショップや実験教室を企画しました。
具体的には、GFP(緑色蛍光タンパク質)をバクテリアに導入して光らせるという実験教室を開催しました。子どもたちに遺伝子組み換え生物の可能性を肌で感じてもらうと同時に、それに伴うリスクについても丁寧に説明を行いました。また、合成生物学の世界観を体験できるオリジナルビデオゲームを制作するなど、多様なアプローチで科学の魅力を社会へ届ける実践を行いました。
次世代へのチームのバトンタッチ
iGEMアゴラは、メンバーの成長とともに進化を続けています。昨年度プロジェクトを牽引した江川陸翔さんは、今年度からアドバイザーとしてチームをサポートする立場に回り、新たに水谷綾那さんを中心とした新体制への引き継ぎが進んでいます。1年に1回の世代交代を通じて、活動のノウハウや想いがしっかりと次の世代へと受け継がれています。
ADvance Campusでの活動の魅力
iGEMアゴラのメンバーにとって、ADvance Campusで活動する最大の魅力は「自分の伝えたいメッセージを、社会に直接届ける場があること」です。
SNSを用いたデジタルな発信だけでなく、ADvance Campusが主催するオープンキャンパスやイベントを通じて、自分たちの活動や研究の成果を、対面で直接子どもたちや社会の人々に伝えるチャンスが得られました。また、ADvance Campus内には様々な専門分野や関心を持つ他のアゴラが存在しています。異分野のメンバーと交流することで、互いの活動に興味を持ち、そこから新たなアイデアや思いがけないチャンスが生まれる「ワクワク感」も、このコミュニティならではの大きな魅力です。
今後の展望
昨年度の活動を振り返り、メンバーからは「もっと多くの人に参加してもらうためのコミュニケーションや準備を強化したい」という前向きな課題が挙がりました。今後はSNSを通じた発信力やチーム内の連携をさらに高め、より大規模で質の高い実験教室やイベントの成功を目指します。
さらに大きな目標として、無限の可能性を秘めた「合成生物学」という分野を、より多くの子どもたちに知ってもらいたいと考えています。幼い頃からこの分野に触れ、豊かなアイデアを育むことで、「どうすれば自分の力で世界にインパクトを残せるのか」「どうすれば困っている人を救えるのか」を考えるきっかけを提供し続けることが、iGEMアゴラの描く未来の姿です。
【ADvance Campusとは】
ADvance Campusは、中学生から大学生までの好奇心あふれる「個」が集い、分野を越えた自由な探究活動を行う場です。
メンバーは自身の関心に基づき「アゴラ」と呼ばれるチームを組成し、専門性を追求しながら互いに知を磨き合います。
「アゴラ」とは、古代ギリシャの公共広場の名に由来し、議論・交流・創造が生まれる場を意味します。ADvance Campus内の「アゴラ」のひとつであるADvance Labでは、次世代研究者たちがそれぞれの好奇心に基づいた自主的な研究活動を支援してきました。
ADvance Campusでは、こうした「知の結晶化」が日々生まれる、次世代型の知のコミュニティを目指しています。
▶️詳細はこちら:ADvance Campus紹介ページ
