2026 年3月10日
【レポート】宇宙移住を「建築」と「生態系」から解き明かす「宇宙」セッション(ADvance Campus | ランダムシンポ)

株式会社LINOA(本社:東京都新宿区、代表取締役社長CEO:立崎乃衣)が運営する次世代アントレプレナーコミュニティ「ADvance Campus」では、異なる好奇心や専門性を持つメンバーが偶発的に出会い、対話を広げる「ランダムシンポ」を定期開催しています。今回のキーワードは「宇宙」。一見すると遠い未来の話から始まりつつも、建築技術や生態系の維持、そしてそれぞれの探究の原点がシームレスに繋がり、専門領域を超越したセッションが展開されました。
月面のコンクリートと、地下洞窟という居住区
対話は、「宇宙空間における建築」という具体的な問いから幕を開けました。地球の建築技術はそのまま宇宙に応用できないため、月面ではどのようなアプローチが求められるのか。建築に関心を持つ参加者から、月の砂を用いた3Dプリンティング技術などの話題が投げかけられました。
それに対し、宇宙生物学を探究する参加者が「放射線被曝」の観点から応答。月面で安全な居住空間を確保するために、地下深くに穴を掘るアイデアやクレーターの利用などが共有されました。地球から資材を運ぶコストを考慮すると、いかに現地の資源を使いこなすかが、ハード面での宇宙開拓の鍵になるという共通認識が生まれました。
火星の土と微生物。映画の世界を科学する
その後、「現地の資源を使う」という話題は、建築から生態系という ソフトの領域へとシームレスに接続されました。
人類が火星に移住した際、過酷な環境でいかに植物を育て、生態系を維持するのか。ここで挙がったのが、SF映画でも描かれた「火星の土に微生物を含む有機物を混ぜる」というアプローチです。一見フィクションのような話ですが、実際に特殊な環境を模した土壌実験でも、特定の要素を混ぜ合わせることで植物の発芽が促されるケースがあるといいます。未知の環境下でのリスクや重力の影響など、専門的な知見が次々と飛び交い、雑談はいつの間にか高度な学術的ディスカッションへと深まっていきました。
規格外の好奇心が交差する原体験
一見すると専門知識の応酬のようですが、今回のランダムシンポの面白さは、話題が「なぜその研究をしているのか」という個人の原体験へと急旋回する点にもありました。
幼少期に博物館に通い詰めたことで宇宙への憧れを抱いたと語る参加 者がいる一方で、ある参加者は、生徒が奇想天外な実験を自由に繰り返す「規格外の科学部」でのルーツを語りました。与えられたテーマをこなすのではなく、「自分が宇宙に行くために、生態系ごと宇宙へ持っていくにはどうすればいいか」を自ら考えた中学生時代のピュアなひらめき。それが現在の閉鎖生態系や微小重力下での研究へと、真っ直ぐに繋がっていることが明かされました。
【ADvance Campusとは】
ADvance Campusは、中学生から大学生までの好奇心あふれる「個」が集い、分野を越えた自由な探究活動を行う場です。
メンバーは自身の関心に基づき「アゴラ」と呼ばれるチームを組成し、専門性を追求しながら互いに知を磨き合います。
「アゴラ」とは、古代ギリシャの公共広場の名に由来し、議論・交流・創造が生まれる場を意味します。ADvance Campus内の「アゴラ」のひとつであるADvance Labでは、次世代研究者たちがそれぞれの好奇心に基づいた自主的な研究活動を支援してきました。
ADvance Campusでは、こうした「知の結晶化」が日々生まれる、次世代型の知のコミュニティを目指しています。
▶️詳細はこちら:ADvance Campus紹介ページ
