2026年4月9日
【レポート】fabula株式会社を訪問しました(ADvance Campus 冬合宿 DAY 1)

株式会社LINOA(本社:東京都新宿区、代表取締役社長CEO:立崎乃衣)は、2025年12月に中高生・大学生を対象としたADvance Campus 冬合宿を実施しました。本合宿は、研究や活動に取り組む生徒たちがそれぞれの活動や興味分野の枠を越えて集い、「動きながら、つながり直す」ことを目的に企画された1泊2日のプログラムです。DAY 1は株式会社グローカリンクの協力のもと、企業や研究現場の見学を通じて、最先端の技術や研究者の思考に触れ、自身の探究を社会と結びつけて捉え直す場を企画しました。このページでは、合宿内で訪問させていただいたfabula株式会社での体験をご紹介します。
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fabula株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役CEO:町田紘太氏)は、「ゴミから感動をつくる」をヴィジョンに掲げ、捨てられてしまう未利用資源を建材などの高付加価値素材へと生まれ変わらせる企業です。現在、世界では生産された食品の約3分の1が廃棄されているともいわれ、食品会社では年間数億円規模の廃棄コストが発生している現状があります。fabulaでは、こうした食品廃棄物を乾燥・粉砕し、100%食品由来の素材として熱圧縮成型することで、新たな素材へと再生しています。将来的には建材としての活用を目指しており、プラスチックを使用しないため生分解性を備えている点も特徴です。さらに、曲げ強度は条件によってはコンクリートを上回る場合もあるといいます。また、原料ごとに質感や色、香りが異 なる点も大きな魅力です。私たちも実際に製品に触れさせていただきましたが、その独特の温かみや香り、素材ごとの個性を肌で感じることができました。同じ形状であっても原料によって印象は大きく変わり、特に香りは製品になった後でもはっきりと感じられたことが印象的でした。

興味深かったのは、fabulaが自社発信においてあえて「SDGs」などの言葉を前面に出していないという点です。環境に良いからという理由だけで選ばれるのではなく、「素材として魅力がある」「デザインが良い」「ストーリーに惹かれる」といった純粋な価値によって選ばれる存在でありたいという姿勢が印象に残りました。創業のきっかけが大学での研究であったという点も、研究に取り組むメンバーが多い、私たちADvance Campus生にとって強い共感を覚える部分でした。当日は、材料特性や成型技術に関する専門的な質問から、収集・輸送に伴うエネルギー負荷、ビジネス戦略、社会実装の可能性に至るまで、幅広い観点から多くの議論が交わされました。
将来的には、地域産業から生まれた廃棄物を活用してつくられた建材によって、その土地のストーリーや産業の営みを身近に感じられる空間が生まれるかもしれません。今回の訪問は、廃棄物を「処理すべきもの」ではなく、「新たな価値の起点」として捉え直す視点を私たちに与えてくれました。
(文・鷲足祐香)
【ADvance Campusとは】
ADvance Campusは、中学生から大学生までの好奇心あふれる「個」が集い、分野を越えた自由な探究活動を行う場です。
メンバーは自身の関心に基づき「アゴラ」と呼ばれるチームを組成し、専門性を追求しながら互いに知を磨き合います。
「アゴラ」とは、古代ギリシャの公共広場の名に由来し、議論・交流・創造が生まれる場を意味します。ADvance Campus内の「アゴラ」のひとつであるADvance Labでは、次世代研究者たちがそれぞれの好奇心に基づいた自主的な研究活動を支援してきました。
ADvance Campusでは、こうした「知の結晶化」が日々生まれる、次世代型の知のコミュニティを目指しています。
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